超高性能機?欠陥機?パイロットによって欠点をメリットに変えたガンダム

■超高性能機?欠陥機?パイロットによって欠点をメリットに変えたガンダム
 『ガンダム』の世界には超高性能機と思いきや、見逃せない欠陥を持った機体が存在する。しかしそんな欠点さえも、パイロットたちの操縦センスや発想でメリットに変えて戦ったガンダムたちがいる。その機体とパイロットたちの戦いの軌跡の一部をここで紹介する。

■宇宙世紀がたどり着いた究極のMS
1.登場と開発経緯
 紹介するのはテレビアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場する「V2ガンダム」だ。今後のガンダムに大きく影響を与えた視覚効果の「光の翼」が特徴的な、主人公ウッソの物語後半戦の搭乗機だ。
 開発経緯としてある程度量産を前提に作られていた「Vガンダム」とは異なり、「圧倒的な戦力差を覆せるだけの性能によって、戦局をリガ・ミリティアへ傾ける」という思想のもと、宇宙世紀150年代の最新鋭技術が投入され開発されている。そこにはサナリィやアナハイム・エレクトロニクスといった、これまでMS開発をしてきた組織が大きく関わっていたと言われる。

2.ミノフスキー・ドライブ・ユニットとその恩恵
 投入された最新鋭の技術、その最たる例が背中に装備された「ミノフスキー・ドライブ・ユニット」だ。ドライブ内で圧縮されたミノフスキー粒子を任意の方向に排出することで、理論上は無限に推進力を得ることができ、これまでの推進装置とは異なり推進剤を必要としない。よって継戦能力が高く、ペイロードにも余裕がある。その上、慣性制御機能が向上し、予備動作なしで停止、直角的な旋回軌道が可能となり、20Gまでの負荷を軽減可能となっている。
 圧倒的な推進力とペイロードは追加装備にも向いており、メガ・ビーム・キャノンとビームスプレーポッドを装備した「V2バスター」、金色の対ビームリアクティブ・アーマーを装備した「V2アサルト」のオプション兵装が装備可能。さらにV2ガンダムの「フルアーマー」とも呼べるバスターとアサルトの両方を装備した「V2アサルトバスター」が存在し、これらの武装を装備しても、これまでのフルアーマーと異なり追加ブースター等がなくても機動性を落とさない。ミノフスキー・ドライブのもたらす恩恵がどれだけ絶大かがよく分かる。

3.最大の「欠点」と劇中での活躍
 これだけの性能を持ちながら、V2ガンダムには大きな欠点が存在する。それが「光の翼」と呼ばれる現象だ。これはミノフスキー・ドライブから漏れ出した余剰エネルギーで、片翼1KMにも及ぶ。宇宙空間でこれだけの発光現象は、有視界戦闘が中心のガンダム界において、敵機に一方的に自機の位置を知らせる結果となる。更に触れればビームサーベルと同じく切断されるだけではなく、近づくだけで友軍機の飛行を乱してしまう危険がある。
 1機では超高性能機だが、僚機として近くで戦うことは巻き添えを食らう可能性の高い機体となっているが、主人公であるウッソの卓越した操縦センスと発想によって、仲間を守る剣と盾として「光の翼」は機能した。劇中でもドッゴーラ、ザンネック、ゴトラタンなどの強力な敵と戦いぬき、最後は巨大な光の翼で敵の最終兵器「エンジェル・ハイロウ」さえ吹き飛ばしてみせた。

■まとめ
 機動性こそMSの最大の武器であることを体現し、ウッソの天才的なパイロット技術も合わさることで、その最大の欠点さえ最高の武器としたV2ガンダムは、​​「宇宙世紀最強のMS」と呼ばれるに相応しい機体ではないだろうか。その後を描いた作品ではMS開発そのものが衰退の一途をたどり、V2ガンダム以上の完成したミノフスキー・ドライブをもつ機体は登場しない。今後の展開でV2ガンダムを超える宇宙世紀究極のMSが登場するか、個人的にはV2が宇宙世紀最強であってほしいと思うが、皆様はどう思うだろうか。
 

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